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GKE導入によって前年比200%の急激な成長を支えているgrasysとの取り組みとは

株式会社Live2D

GKE導入によって前年比200%の急激な成長を支えているgrasysとの取り組みとは

■まず、御社の事業概要を教えてください。

上島氏(以下、上島):Live2D関連ソフトウェアおよびサービスの開発 やLive2D関連のグラフィックス制作 をメインにLive2Dを用いた長編アニメーション映画の制作などを行っています。

また、オリジナルイラストとLive2Dモデルの購入・販売・オーダーメイドができるnizimaや、表情を読み取ってLive2Dモデルを動かしてVTuberになることが出来るnizima LIVEの運営を行っています。現在、誰でもVTuberになることができるサービスとして注目を集め、売上前年比200%の成長を遂げています。

■サービスの導入に至った経緯とgrasysを選ばれた決め手を教えてください

金城氏(以下、金城):ウェブサービスを展開していく中でインフラの構築が不可欠だったのですが、社内にインフラの専門家がおらず、何を基準にしてインフラの構成を決めればいいのかわからなかったんです。さらに、サービスがスケールした際の対応など、先を見越したインフラ構築や、サービスを稼働させたままサーバのメンテナンスを継続的かつ安全に行う知見もありませんでした。インフラの運用は緊急時には夜間や休日対応を行う必要がありますが、社内でその体制を構築するのは難しく、インフラのアウトソースを検討することになりました。何社かにお話を聞いたのですが、その中の一社がgrasysさんでした。
他社さんは頼んだことをやるといったスタンスで、こちらが何かを要求すればその通りに構築してくれるけど、こちらが指示をしたことで何か問題が起きても対処はしないといった、完全に受け身の連携が前提だったんです。そうなるとやはり自分たちである程度のインフラに関する知識を持つことが必要になる。それは現実的ではないなと感じていました。そんな中、grasysさんはこちらの要望を聞いた上で最適な提案をしてくれたんです。特に最初の頃はこちらもインフラに関する知識がほとんどなかったので、的外れな質問や伝えたいこともうまく伝えられなかったのですが、とても丁寧に対応してくれたことも決め手の一つです。

grasys:最初にお話を伺った際に、ゲームグラフィックスで利用される「Live2D Cubism」を開発している有名なLive2Dさんの新しいサービスに携われるとテンションが上がった記憶があります。全力で力になりたいとgrasys全体で協力体制を敷いていました。それはエンジニアが増えた今も変わりません。

■運用開始後に新たに見つかった課題について詳しく教えてください

上島:​​COVID-19が蔓延しはじめたタイミングでnizimaのユーザー数が急激に伸び、サーバーの負荷高騰への不安を感じるようになりました。ユーザーが快適にサービスを利用できるように、データを安定して捌けなければせっかくのユーザー獲得の機会を逃してしまいます。さらに、これ以上負荷が大きくなればユーザーに安定してサービスを提供できなくなる可能性も懸念されました。この急激な負荷高騰にどのように対処すべきか悩んでいました。

金城:もう一つ課題で感じていたのが、プログラム言語のバージョンアップです。さまざまな新サービスを展開していく構想があったのですが、古いバージョンのサービスは残しながらバージョンアップ対応をすすめつつ、新しいサービスは新バージョンで開発を進める必要がありました。しかし影響範囲を考慮しつつ、デプロイし、動作させようとすると、どうしても開発のスピード感が下がると感じていました。この課題を解決するために言語のバージョン管理をより容易にする必要があると考えました。そこで、Google Kubernetes Engine(以下、GKE)の導入を考え相談させていただきました。

grasys:使用する言語にもよりますが、インフラの観点でも、コスト圧縮するために異なる言語のバージョンを同じVMで動かすとなると障壁が高かったという部分もありました。

■課題を解消するためにシステムに求めたスペックを教えてください

金城:GKEの導入を検討した当初はnizimaのユーザー急増によるインフラの負担を軽減するため、オートスケールができれば嬉しいと考えていました。また、他にもnizima LIVEやデスクトップマスコット などnizima関連のサービスが広がっていっていたので、従来通りサーバーを立てていくことなども考えたのですが、このまま横展開していくなら、要件としてマイクロサービス化との親和性が高くなりつつある当プロジェクトではGKEによるコンテナ化が適切ではないかと考えました。また、コストの観点から、異なる実行環境・サービスの異なるプログラムをホストする環境をできるだけ考慮することなく同じコンピューティングリソース上にデプロイができると良いなと思っていました。

grasys:インフラ的な観点からも、インフラ的な影響範囲を限定できるコンテナ化は当プロジェクトにとって自然な流れでした。事業のスケールに伴い、より拡大・運用の複雑化することが想定されるシステムを、GKEによって安全に抽象化することがベターだと思いました。

■GKEの環境構築後、貴社業務への変化などを教えてください

金城:まずは、開発のスピードが上がったことを実感しています。 既存のサービスの対応に並行しつつ、言語のバージョンアップがより簡単にできるようになったことでさまざまな事業展開が容易に行えるようになりました。さらにコンテナ化によりサービスの粒度で異なる言語での開発を進めやすくなったので、メンバーのアサインの自由度があがり、開発作業の分担がしやすくなりました。

上島:負荷についての部分もかなり解消されたと感じています。VTuberの増加などにより、現在ユーザーがさらに増えているのでこちらも早い段階で対応できてよかったと感じています。

■御社内でのgrasysの評価について教えてください

金城:grasysさんは外部の会社に依頼をしているというよりも、社内の担当者に業務をお願いしているような感覚で相談や質問ができるのでとても助かっています。弊社は社内にインフラの専門家がいないので、どうしても相談をするときや質問をする際にざっくりとした内容になってしまったり、的外れな質問をしてしまうことも多いのですが、いつもとても丁寧に対応していただいています。


上島:業務を依頼する中で、そこまでやってくれるのかと思うことも多いです。他の会社だと追加で費用かかりそうなのことも予算内で対応いただいているのもありがたいです。

grasys:弊社も、早い段階で相談していただけることで、早期の齟齬の解消や準備期間を設けることができるので、大変助かっています。基本運用に大きな変化がない限りはサービス内容を運用契約内の範囲で変更できるので、状況に応じて柔軟に対応させていただいております。また、ご依頼いただいたことだけではなく、当社側で気づいたことなども提案させていただいています。今後も柔軟な体制でサポートができればと考えています。インフラの基盤の部分を当社にお任せいただいているので、アプリケーションの開発により注力できる環境をこれからもご提供していきたいと考えています。

■ 今後の計画や展望を教えてください

上島:クリエイターの記事コンテンツのサブスク配信やVTuberのファンサイトの開設など、社内では新しいアイディアが次々に出ていて、Live2D経済圏でのさまざまな展開を考えています。今後もユーザー数をさらに増やしていきたいと考えています。

金城:現在とても良い関係を築けているので、今のままの関係を維持していければと考えています。

上島:今後も利用者数が爆発的に伸びることが予測されます。ユーザーが更に増えることでこれまで以上に課題も大きくなっていくと感じています。システムの規模がどんなに大きくなっても障害を起こすことなく、インフラ周りが安定して利用できることが何より大切だと考えていますので、これからもご協力をお願いします。

grasys:エンジニアだけではなく、ビジネスの関係者の皆様にさまざまな相談をいただければと考えています。インフラの視点からより円滑にビジネスを進められるように一緒に改善していくことが重要ですね。今後もさまざまな展開をお考えとのことですので、そこで発生する新たな課題に一緒に取り組んでいきたいと考えております。

     

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